まぶしさ日記

20代OLの備忘録。本・コスメ率高め

「すずめの戸締り」 監督:新海誠

3連休の最終日、新海誠監督の「すずめの戸締り」を観た。

 

「天気の子」では咄嗟に世界より好きな子を選んで、その選択が正しかったのかを自問する男の子を描いていたけど、「すずめの戸締り」は咄嗟に世界を選んでしまった女の子が好きな人のために自分を犠牲にする覚悟を持った話だった。

結局自分のことを好いている猫を犠牲にするんかいと思ったものの、私は好きな人のために頑張る女の子が大好きなのでグッとくるものがあった。

 

生きるか死ぬかは運でしかないと悟っている震災経験者の高校生が、死ぬことに怖さを感じない女の子が、好きな人がいない世界を怖いと思うひたむきさが眩しかった。

草太も鈴芽がいない世界を怖いと思うであろうことの想像もつくだろうに、ただ好きな人を救いたくて過去の自分と向き合う覚悟を決める鈴芽が強くて愛しかった。

 

震災によって生み出された喪失を抱えて生きていく鈴芽はこれからも色んな人に祝福され、愛されて育つ。

亡くしてしまった宝物が戻ることはないと悟り、自分の足で光ある道を生きていく覚悟を決める物語だったのだな。

 

もう帰れない故郷を胸の内に抱え、そこから「行ってきます」と歩き出した鈴芽。

「ただいま」と帰るため、宮城に取り残された幼い自分を救うため、鈴芽は好きな人と一緒に自分の人生を歩く。